頭皮が乾燥するとどうなる？

頭皮が乾燥すると、まずフケやかゆみが増えます。これは皮膚のバリア機能が低下し、外部からの刺激に敏感になるからです。また、乾燥によって髪のパサつきやきしみを覚えることもあります。さらに深刻な場合、抜け毛が増える可能性もあります。
さらに、乾燥した頭皮をそのままにしておくと、毛髪にも悪影響を与えることがあります。髪のハリ・コシが失われたり、くせ毛が目立つようになったり、頭皮環境の悪化による薄毛の原因にもなりかねません。

頭皮のベタつきにも注意が必要

一方で、過剰な皮脂分泌による頭皮のベタつきも問題です。ベタつき（過剰な皮脂）は細菌の繁殖を促し、頭皮トラブルを引き起こす可能性があります。また、過剰な脂は毛穴を詰まらせ、髪の成長を妨げる一因にもなってしまいます。
しかし、適切な保湿ケアを行うことで、頭皮の乾燥とベタつきの両方を抑えることは可能です。洗浄成分の主体がアミノ酸系である頭皮シャンプーを使用して、優しく洗い上げることが大切です。また、スカルプケア用品を使って、定期的な頭皮マッサージを行うと、健やかな頭皮環境へ導くことができます。
大切なのは、ご自分の頭皮の状態を確認し、それに合わせた適切な保湿ケアを行うことです。日々のケアを通じて、潤いのある健やかな頭皮を目指しましょう。

薄毛、抜け毛と保湿（潤い）の関連性

頭皮が乾燥すると、薄毛や抜け毛の一因となることがあります。乾燥した頭皮は、硬くなって血行が悪くなることで、毛根への栄養供給が滞りがちです。その結果、毛根が弱くなり、必要な栄養が十分に供給されなくなるため、髪が抜けやすくなりがちです。対策として、まずは保湿成分を含むシャンプーを使用し、頭皮をやさしくマッサージしましょう。こうすることで、頭皮が次第に潤い、状態も整っていきます。また、日常生活でも栄養バランスの取れた食事を摂り、ストレスの解消にも努めましょう。

切れ毛と保湿（潤い）の関連性

髪の水分量が不足すると、髪が柔軟性を失い、乾燥してパサついてしまいます。乾燥した髪は熱や摩擦に対して弱いため、切れ毛が発生しやすくなるのです。
さらに、トリートメントで髪の内部に水分を補給すれば、よりしなやかで強い髪を維持することができます。アミノ酸系シャンプーやシリコンが配合されたシャンプーなど、髪にやさしい製品を選ぶことも大切です。

白髪と保湿（潤い）の関連性

頭皮の乾燥が直接、白髪を引き起こすわけではありませんが、白髪の発生に関係している可能性はあります。頭皮が乾燥すると血行が悪くなり、毛根に必要な栄養素が十分に供給されなくなってしまいます。栄養不足は、毛根のメラノサイト（髪に色素を供給する細胞）の機能を低下させます。その結果として、髪の色が抜けたり、白髪につながってしまったりします。
しかし、適切な保湿ケアを行えば、頭皮環境が整うことで、白髪の進行も遅らせることができるかもしれません。保湿成分が含まれたアミノ酸系シャンプーや、植物由来成分を含むボタニカルシャンプーなどを使用し、頭皮に潤いを与えることが重要です。

頭皮の保湿ケアは、さまざまな髪の悩みに対応する基本的なアプローチです。ご自分の髪質や頭皮の状態に合わせて、適切な保湿製品を選び、継続的なケアを心がけてください。

頭皮はどう変化するの？

適切な保湿ケアにより、頭皮の乾燥が抑えられ、フケやかゆみが軽減されます。また、皮脂分泌のバランスが整い、べたつきや脂っぽさも軽減されます。さらに頭皮マッサージも一緒に行えば、頭皮自体が柔らかくなって血行がスムーズになるため、毛根により十分な栄養が供給されて髪の健やかな成長につながります。

髪はどう変わる？

保湿ケアによって頭皮が潤うと、髪の質感も次第に変化していきます。髪のツヤが出て、なめらかな質感になります。髪の表面を覆うキューティクルが整うことで、しなやかで光沢のある髪へと変わっていくからです。乾燥による髪の広がりやくせ毛が軽減され、髪がまとまりやすい質感になっていきます。さらに髪の強度が増し、枝毛や切れ毛の減少にもつながります。

保湿のためのスカルプシャンプーの選び方

頭皮の保湿ケアには、保湿成分（セラミド、グリセリン、ヒアルロン酸など）が含まれたシャンプーを使用しましょう。低刺激なアミノ酸系洗浄成分がベースのシャンプーがおすすめです。洗浄力が強すぎるシャンプーは、頭皮の皮脂を取り除きすぎて乾燥を引き起こすことがあるので注意が必要です。また、フケやかゆみを軽減したい場合には、有効成分が配合された薬用シャンプーがおすすめです。さらに、頭皮（地肌）用の美容液や化粧水を使用するのも効果的です。

関連商品：薬用 地肌 ローション

以下では、頭皮の保湿ケアにおすすめのシャンプーを具体的に紹介します。

まずは、この３つのポイントを覚えてください。

• 洗浄力がやさしいアミノ酸系シャンプー
• 保湿成分が配合されたシャンプー
• 地肌への刺激が少ないシャンプー

シャンプー選びの決め手は洗浄成分

シャンプーにはたくさんの種類があって、どれを選んだらよいかお悩みの方も多いと思います。じつは、シャンプーの場合、表示されている成分の8〜9割が洗浄成分だと思って間違いありません。 だから、シャンプーは洗浄成分で選ぶのが正しいと言えます。洗浄力が強すぎるシャンプーを選んで使ってしまうと、必要な皮脂まで取り除かれてしまいます。

おすすめはアミノ酸系シャンプー

アミノ酸系シャンプーとは、その名のとおりアミノ酸系洗浄成分を配合したシャンプーのことです。人間の皮膚や髪のタンパク質を構成するアミノ酸由来の成分でできていて、しかも肌と同じ弱酸性ですので、髪や頭皮にやさしいのが特徴です。加えて、汚れだけを選択的に落とし、地肌の潤い成分はしっかり残してくれるという特性もあります。そして、植物由来なので、きちんと分解されて自然に戻るため、地球環境にもやさしい成分として人気を集めています。

アミノ酸系シャンプーの特徴（まとめ）

• 低刺激性：弱酸性であるため、肌や髪にやさしく、刺激を与えにくい。
• 保湿力：肌や髪に必要な保湿成分を残し、乾燥を抑える。
• 環境にやさしい：天然由来の成分であるため、環境にやさしい。

アミノ酸系シャンプーの洗浄成分

シャンプーの洗浄成分には、「界面活性剤」と呼ばれる成分が用いられています。界面活性剤には、「親水性（水分子と相性がよく水に溶けやすい）」と「親油性（油分の分子と相性がよい）」の2つの性質を合わせ持ち、そのままだと混ざりにくい水と油をクリーム状に混ぜ合わせるという特性があります。
皮脂のような油汚れになじみ、水と一緒に洗い落とせるため、洗浄成分として洗剤やシャンプーなど、さまざまなものに配合されています。

シャンプーの洗浄成分として用いられる界面活性剤には、高級アルコール系、石鹸（せっけん）系、アミノ酸系など多くの種類があります。その中でアミノ酸系の界面活性剤を含むシャンプーを一般的にアミノ酸系シャンプーと呼ばれます。

アミノ酸系の一つであるグルタミン酸系洗浄成分は、肌をやさしくマイルドに洗い上げます。ココイルグルタミン酸Naやココイルグルタミン酸TEAのほか、ラウロイルグルタミン酸Na、ラウロイルグルタミン酸TEAなどがあります。

アミノ酸系シャンプーの洗浄効果

アミノ酸系シャンプーには、多種類のアミノ酸系洗浄成分が配合され、優れた洗浄力を発揮しながら、同時に必要な脂分と潤いを残すといった頭皮へのやさしさがあります。かゆみや乾燥、フケなどの頭皮のトラブルを抱えている人、髪が傷んでパサつきやうねりなどに悩んでいる人におすすめです。

シャンプーや洗顔料などの幅広い製品に配合されているアミノ酸系洗浄成分は、大きく以下の3つのメリットを持っています。

• 低刺激性：弱酸性であるため、肌や髪にやさしく、刺激を与えにくい。敏感肌の方でも使用できる。
• 保湿力：肌や髪に必要な保湿成分を残し、乾燥を抑える。
• 環境に優しい：天然由来の成分であるため、環境にやさしい。

こういった特徴のあるアミノ酸系シャンプーですが、使用する際は成分表もしっかり確認し、ご自分に合った製品を選びましょう。

【参考】スカルプシャンプーに含まれる主な成分

※アミノ酸系洗浄成分：他のアミノ酸系成分としては、アラニン系（洗浄成分：ココイルメチルアラニンNa、ラウロイルメチルアラニンNaなど）、グリシン系（洗浄成分：ココイルグリシンNa、ココイルグリシンTEA、ココイルグリシンKなど）、タウリン系（洗浄成分：ココイルメチルタウリンNa、ラウロイルメチルタウリンNaなど）、アスパラギン酸系（洗浄成分：ラウロイルアスパラギン酸Naやアシルアスパラギン酸TEAが配合されているもの）などがあります。

※ベタイン系シャンプーとは？：ヘアケアの世界でもオール植物系を謳ったベタイン系シャンプーには人気があります。ベタイン系の代表的な洗浄成分はコカミドプロピルベタインといい、ヤシ油脂肪酸を使用した成分です。植物由来であること、弱酸性で低刺激、さらに環境へのやさしさなど、アミノ酸系洗浄成分と似た特徴を持っています。ただし、赤ちゃんが使うベビーシャンプーなら問題なくても、皮脂が多かったり、スタイリング剤などを使っていたりする大人が使う場合は、洗浄力が低く汚れを落としきれず「物足りない」と感じる可能性があります。

アミノ酸系シャンプー選びのチェックポイント

製品を選ぶ際は、すべての成分表示をチェックしましょう。シャンプーの場合、水に続いて洗浄成分がいくつか並んで記載されていますが、水の次に書かれている洗浄成分がメインとなりますので、その成分名に注目しましょう。

“ココイルグルタミン酸TEA”のように、“グルタミン酸”“アラニン”“グリシン”などのアミノ酸の名称が成分名に含まれているものは、アミノ酸系洗浄成分が処方されて（含まれて）います。ただし、これらアミノ酸系洗浄成分を配合していても、水の次に表示されていない場合は、他の洗浄力の強い洗浄成分がメインという場合もあるので注意しましょう。

コラーゲン

コラーゲンは、肌や髪の弾力性を維持する重要なタンパク質です。頭皮に潤いを与えて頭皮環境を整え、髪のハリとコシを保ちます。

ヒアルロン酸

ヒアルロン酸は、高い保水力を持つ成分として知られています。皮膚の表面にバリアを形成するため、水分の蒸発するのを防ぎ、乾燥した頭皮に優れた保湿効果を発揮します。頭皮や毛髪に弾力やハリを与えるため、エイジングケアにも使われます。

セラミド

セラミドは、頭皮の角質層に存在する脂質成分です。水分保持機能を持ち、頭皮のバリア機能を強化します。セラミドが頭皮に潤いを与え、フケやかゆみの軽減につながります。

海藻・海泥

海藻や海泥にも保湿作用があります。海藻には、ミネラル、ビタミンが豊富に含まれており、これらが頭皮に水分を補給し、保湿（潤い）をサポートします。海泥は海底から採取されるミネラルが豊富な泥のことです。頭皮に潤いを与え、保護するという特徴があります。いずれもヘアケア製品に広く使われています。

その他

植物由来のオイルやエキスも、頭皮の保湿ケアに効果的です。例えば、グレープシードオイルやスクワランなどは、頭皮に潤いを与えながら、過剰な皮脂分泌を抑える働きがあります。
また、各種のハーブエキスを含むヘアケア製品を選んで日々のケアに取り入れることで、頭皮の潤いを保ち、健やかな髪の成長をサポートすることができます。

※ハーブエキス：カミツレ花エキス、チャ葉エキス、イタドリ根エキス、ツボクサエキス、ローズマリー葉エキス、オウゴン根エキス、カンゾウ根エキスなど。

【参考】その他の保湿成分

• ラウロイルメチルアラニン：アミノ酸系の洗浄成分で、敏感肌や乾燥肌の人に最適です。優れた洗浄力と低刺激性を備えています。
• アラニン：保湿作用があり、化粧品やシャンプーによく使用されます。肌や髪の水分保持を助け、乾燥を防ぎます。
• ラウロイルメチルアラニン：アミノ酸系界面活性剤としてヘアケア製品に配合されています。マイルドで頭皮を傷めにくいのが特徴です。
• アシルグルタミン酸：低刺激で優しい洗浄力が特徴です。頭皮や髪をしっとりと仕上げてくれます。

頭皮が乾燥すると、髪の毛にも影響があるの？

頭皮の乾燥は髪にも悪影響を及ぼします。乾燥した頭皮は、皮脂の分泌バランスを崩しやすく、髪の毛のツヤや潤いが衰えることがあります。また、頭皮のバリア機能が低下すると、外部刺激から髪を守る力も弱まります。結果として、パサつきやまとまりの悪さ、さらには大きな頭皮トラブルにつながることもあります。

シャンプーだけで頭皮を保湿ケアできる？

より効果的な保湿ケアを行いたければ、先に挙げた保湿成分入りのシャンプーを選びましょう。
また、シャンプー後は、頭皮を優しく乾かすことも大切です。ドライヤーの熱で頭皮が乾燥しないよう、適度な距離を保ちながら使用しましょう。
さらには、頭皮用の美容液や化粧水、育毛剤を使えば、よりいっそう健やかな頭皮に近づけられます。

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脂っぽい頭皮でも保湿ケアは必要？

意外に思えるかもしれませんが、脂っぽい頭皮でも保湿ケアは必要です。乾燥により過剰に皮脂が分泌されている可能性があります。適切な保湿ケアをすることで、皮脂の分泌バランスが整い、結果的に脂っぽさが軽減されることもあります。ただし、過度な保湿は避け、べたつきを抑えることが重要です。

普段の生活での大切なケア

最後に、普段からどういったケアを行えばよいのかを、まとめました。
まずは食生活です。頭皮に栄養を与えるため、タンパク質やビタミン、ミネラルが豊富な食事を心がけてください。睡眠も重要です。良質な睡眠を取ると、ホルモンバランスの乱れが緩和され、頭皮に良い影響を及ぼします。意外と知られていないのが、紫外線の影響です。紫外線は頭皮にダメージを与えるため、外出時には帽子や日傘を使用してください。紫外線が頭皮に直接当たらないようにすることも大切なケアの一つです。

正しいケアの大切さ

正しいスカルプケア（髪の洗い方、頭皮の保湿ケア、マッサージなど）を続けていくことで、次第に頭皮や髪の毛は健やかに変わっていくと期待できます。大切なのは、これらのケアを習慣づけることです。年齢とともに頭皮の状態や髪質は変わっていくものですが、正しいエイジングケアを行えば、いつまでも美しい髪や健やかな頭皮を維持することにつながります。