女性にとって、頭皮や髪の毛のトラブル、悩みはさまざまです
女性にとって、頭皮や髪の毛のトラブルは深刻な問題です。日々感じる臭いやかゆみ、乾燥、ベタつき、さらには年齢とともに増える薄毛・抜け毛や白髪など、頭皮と髪の悩みは多岐にわたります。これらのトラブルは、年齢によってその内容も原因も異なります。
本記事では、女性が抱える頭皮・髪の毛のトラブルを年代・ライフステージ別に詳しく解説し、それぞれのトラブルの原因とケアするための対策を紹介します。また、トラブルに応じた最適な頭皮シャンプーの選び方と使い方についても解説。さらに、頭皮と髪の健康を保つためのコンディショナーやトリートメント、頭皮マッサージ、生活習慣や食事のポイントなど、ケア方法を総合的に提案します。
この記事を通じて、あなたが日々の生活をより快適に過ごすためのヒントを見つけ、頭皮と髪の健康を取り戻すことを願っています。
女性の頭皮や髪の毛のトラブル(悩み)は年齢・経験によって変化します
20代から60代以降まで、女性の頭皮や髪の毛のトラブルや悩みはどんどん変化していきます。年代ごとに頭皮や髪の毛のトラブル、悩みを解説します。
【表1】女性に多い年代別の頭皮のトラブル・悩み
【表2】女性に多い年代別の髪の毛のトラブル・悩み
(○):特には妊娠中や産後のトラブル・悩みを指しています。
20代女性の頭皮や髪のトラブル(悩み)の傾向とその原因
まだまだ健康な20代の髪ですが、さほど悩みを感じていない方も多い反面、カラーリング、ヘアアイロン、パーマなどで髪を傷めている方も少なくないのではないでしょうか? 頭皮の悩みやトラブルよりも、おしゃれのために髪が傷み、乾燥やパサつき、切れ毛や枝毛が気になる……という髪の毛のトラブルを感じている方が多いのがこの年代の特徴です。一方で、頭皮に関しては、臭いやベタつき、フケが気になるという方も少なくないようです。
30代女性の頭皮・髪のトラブル(悩み)の傾向とその原因
30代に入ると、毎日が充実する一方で、髪や頭皮に関する悩みが増えていきます。20代のうちにはツヤやハリがあったはずの髪に、フケや頭皮のかゆみが出やすくなったなど、少しずつトラブルを感じる方が増えてきます。特に30代は出産などのライフイベントも多く、頭皮ケアの重要性を意識し始める方も多いようです。
妊娠中・産後の頭皮・髪のトラブル(悩み)の傾向とその原因
妊娠中~産後に髪や頭皮に変化を感じるという女性も多いようです。産後の抜け毛もその一つです。妊娠中は女性ホルモンの増加で髪が健康に保たれますが、産後はホルモンが減少し、抜け毛や髪質の変化が発生します。また、妊娠・産後には赤ちゃんや母乳に栄養が優先的に送られるため、母体は栄養不足になりがちです。そうしたホルモンバランスの変化や栄養不足から頭皮の潤いが奪われ、乾燥やフケ、抜け毛、髪の毛が細くなるなどのトラブルが増えます。
40代女性の頭皮・髪のトラブル(悩み)の傾向とその原因
40代になると、髪や頭皮にはいっそうの変化が訪れます。身体の機能は加齢により少しずつ衰えていきます。例えば、体を支えてきた女性ホルモンが減少するため、どうしても髪が細くなり、ボリュームがなくなってしまいます。また、髪のハリ・コシがなくなったり、うねりやくせ毛が目立つようになったりします。加えて、頭皮の乾燥や臭い、かゆみに悩む方もいます。
更年期の女性の頭皮・髪のトラブル(悩み)の傾向とその原因
20〜30代から徐々に減り続けてきた女性ホルモンが、更年期以降には一気に低下します。表に現れるトラブルには個人差がありますが、体内ではホルモンバランスが大きく変わっています。それにより、髪や頭皮にもさまざまな変化が現れ、抜け毛や薄毛の悩みが増えてきます。前髪や頭頂部のボリュームがなくなる、ハリ・コシが弱くなる、髪が細くなる、地肌が透けて見えるなどの悩みも出てきます。
50代女性の頭皮・髪のトラブル(悩み)の傾向とその原因
50代は女性の体が大きく変化する年代です。健康な体を支えてきた女性ホルモンの減少により、さまざまな変化が起こります。まず、髪のボリュームやハリ・コシがなくなっていきます。40代から約10年間続いた更年期を経て、女性ホルモンはさらに減少し、髪のボリュームの減少、ハリ・コシの低下、薄毛・抜け毛、うねり、白髪など、トラブルや悩みが増え、多様化してきます。また、50代は身体が大きく変化する時期であり、髪の健康を維持するためには、頭皮ケアや生活習慣の改善など土台から整えるアプローチが求められます。
60代以降の女性の頭皮・髪のトラブル(悩み)の傾向とその原因
60代以上の女性はさらに女性ホルモンの減少が進み、抜け毛や薄毛、白髪、パサつきなどが主な悩みとして上がります。白髪が大きな悩みとなり、自然に活かすか、カラーリングするかの選択を迫られることになります。60代の髪はさらに細く弱く乾燥しやすくなっていくため、白髪染めをする場合には、髪と頭皮に優しい製品を選ぶことが大切です。
頭皮のトラブル(症状)・悩みの原因、悪化させないためのポイント
臭い(におい)
数ある悩みの中でも多く聞かれるのが、髪や頭皮の臭いです。臭いの大きな原因は、皮脂の過剰分泌によるものです。皮脂は頭皮を健康に保つ役割を果たしますが、過剰な分泌はイヤな臭いを引き起こします。ホルモンバランスや遺伝、ストレス、不規則な生活習慣が皮脂の分泌に影響し、細菌の増殖と分解によって不快な臭いが発生します。適したケア方法を選ぶことが大切です。
かゆみ(痒み)
頭皮のかゆみが起こるのは、乾燥や外部刺激が主な原因です。冬の乾燥した空気や季節の変化、逆に暑さや湿度も頭皮の皮脂分泌を乱し、かゆみを引き起こします。また、不規則な生活やストレス、睡眠不足も頭皮のバランスを崩し、かゆみやフケの原因になります。かゆみを抑えるには、抗炎症や抗菌、保湿成分の入った製品がおすすめです。例えば、抗酸化・抗菌作用のある成分が含まれたシャンプーなどが頭皮を健やかに保ちます。まずは、アミノ酸系のマイルドなシャンプーの使用が推奨されます。
ベタつき(脂っぽい)
頭皮や髪のベタつきは、過剰な皮脂分泌が原因です。ホルモンバランスの乱れやストレス、食生活が影響すると考えられますが、それに加えて過度な洗髪や洗浄力の強いシャンプーが皮脂分泌を助長します。顔の皮膚と同様に、過度な洗髪で水分が不足すると、それを補うために皮脂が分泌される結果、ベタつきや臭い、毛穴の詰まり、かゆみが発生することがあります。髪のケアのために作られている一般的なシャンプーではこれらの問題を解決しにくいため、頭皮ケアのために開発されたスカルプシャンプー(頭皮シャンプー)がおすすめです。
皮脂(脂性)
皮脂は頭皮を健康に保つ役割を果たしますが、過剰に分泌されるとベタつきに繋がります。その原因は、上の「ベタつき」で挙げたようにホルモンバランスの乱れやストレス、食生活が影響することに加え、過度な洗髪やシャンプーの選び方が合っていないことも考えられます。一般的なシャンプーは髪を清潔に保ちますが、頭皮のベタつきケアには不向きです。スカルプシャンプー、特にアミノ酸系のものは、地肌をやさしく洗浄して必要な潤いを残すため、皮脂の過剰分泌を抑える効果があります。
フケ
フケは皮膚のターンオーバーで自然に発生しますが、過剰になると問題が生じます。フケの原因は、皮脂の過剰分泌と頭皮の乾燥とに分けられ、それぞれ対処法が異なります。皮脂の過剰分泌が原因の「脂性フケ」は、頭皮が脂っぽく湿り気があり、フケが大きいのが特徴です。これはマラセチア菌の増殖が関与し、炎症を引き起こすこともあります。一方、乾燥が原因の「乾性フケ」は粉末状で、特に冬場に発生しやすいものです。自分のフケの状態を確認し、適切な対処をすることが重要です。
乾燥
頭皮の乾燥は、かゆみやフケの原因となりますが、その乾燥は強い洗浄力のシャンプー、過度な洗髪やドライヤーの使用、過剰な頭皮マッサージ、乾燥した空気などが原因で起こります。また、皮膚炎や脂漏性湿疹などの健康問題の一症状としても現れることがあります。乾燥を防ぐためには、適切なヘアケアや保湿、環境の改善、健康問題の治療が重要です。
敏感
お顔の皮膚と同じように、頭皮が元から敏感な方や、季節の変わり目になると頭皮にも揺らぎ(ゆらぎ)があらわれてトラブルに悩まされる方も多いことでしょう。乾燥、加齢、生活習慣やターンオーバーの乱れ、体質、外的要因などさまざまな要素がからみあって頭皮が敏感になっていると考えられますが、それによりフケやかゆみ、赤み、乾燥、皮脂の過剰分泌などが起きてきます。
湿疹、ニキビ、赤み
頭皮の乾燥や皮脂過多は、湿疹やニキビといったトラブルに繋がってしまうこともあります。そうしたトラブルは、炎症、アレルギー反応のほか、感染によって引き起こされることもあります。刺激の少ない頭皮(スカルプ)のケアができるシャンプーを選び、適切なケアを行うことが大切です。また、特定の皮膚状態に対しては、薬用シャンプーや医薬部外品の使用が推奨されます。長引く場合には皮膚科を受診するようにしてください。
髪の毛のトラブル・悩みとそれぞれの原因、悪化させないためのポイント
うねり(くせ毛)
髪の毛は、年齢とともに髪の内部を満たしている成分の一つ、遊離脂質が減少します。すると毛髪内で成分の偏りや空洞ができるため、うねりが起こりやすい状態になります。パーマやカラーリング、ドライヤーの使用過多、栄養不足が髪にダメージを与え、くせ毛やうねり毛の原因にもなります。髪の状態を確認し、補修成分(ケラチン、コラーゲンなど)を含むシャンプーを使用しましょう。
ハリ・コシの低下
加齢により髪の毛は変化します。ボリュームが出ない、つや・コシがなくなったというのは代表的なお悩みです。女性ホルモンの低下により、髪が細くつやがなくなっていくためです。バランスの良い食事を心がけて髪や頭皮の内側から強くしていくことを意識しつつ、ノンシリコンシャンプーや頭皮をすっきりと洗いながらさらにコラーゲンが髪を内側からダメージを減らしていく薬用シャンプーなどを使うとよいでしょう。
薄毛・抜け毛
加齢とともに女性ホルモンが減少すると、ヘアサイクル(髪の成長サイクル)が乱れ、細く弱い髪が増えてきます。その結果、髪全体の密度が低下し、ボリュームダウンにつながります。また、更年期以降、女性ホルモンが減少していくなかでも男性ホルモンはほぼ一定に保たれるため、ホルモンバランスが変化し、男性ホルモンが優位にはたらく傾向にあります。男性ホルモンは毛母細胞に影響を与え、髪が薄くなるリスクを高めることがあります。さらに、50代になると体の栄養吸収効率が低下し、髪の健康を維持するために必要なビタミンやミネラルが不足しがちになることも、抜け毛の原因となります。
白髪
白髪ができる原因は、毛髪のメラニン色素が減っていくためです。白髪が気になる方は、白髪染めを使用するのも一つの方法です。その場合、なるべく頭皮や髪へのダメージが少ない製品を選んでください。
頭皮と髪の毛のトラブル(症状)をケアするには?
年齢に関わらず、これらの頭皮や髪の毛の悩みを軽減するには、何より「正しい頭皮ケア」が必要です。ヘアケアだけでなく、まずは健康な頭皮に整えていくことが重要になります。
トラブル・悩みの原因となる頭皮の状態をケアできる頭皮シャンプーの選び方、使い方
臭い、かゆみ、ベタつき、フケ、乾燥といった頭皮のトラブルから、うねり、ハリ・コシの低下、薄毛・抜け毛、白髪などの髪の悩みまで、その種類はじつにさまざまですが、頭皮に原因があることが多いものです。頭皮をしっかりと根気強くケアすることでトラブルや悩みの軽減へと近づけることができます。
まずは、ご自分の頭皮の状態をしっかり確認してください。その状態に適したシャンプーを選ぶことでベタつきや皮脂の過剰分泌を抑えられ、健康的な頭皮環境に繋がります。
以下では、さまざまな症状別に、その原因を抑える(軽減する)ためのシャンプーとその使い方について解説します。
※当ページでは「頭皮」と「スカルプ」、「頭皮シャンプー」と「スカルプシャンプー」を同じ意味で使用しています(「スキャルプ」も同様です)。
皮脂(脂っぽい)
頭皮や髪のベタつきは、過剰な皮脂分泌が原因です。頭皮のベタつきや脂っぽさを軽減するには、皮脂の過剰な分泌を抑えてくれる頭皮シャンプー(スカルプシャンプーの名称でも知られています)がおすすめです。スカルプシャンプーは頭皮の深層(毛穴の奥)にある皮脂や汚れを除去してくれ、皮脂の過剰な分泌を抑えてベタつきの原因となるバクテリアの増殖を抑制してくれます。 なかでも、アミノ酸系の洗浄成分を含むシャンプーは、地肌をやさしく洗浄する特徴があります。
アミノ酸系シャンプーとは、その名のとおりアミノ酸系洗浄成分を配合したシャンプーのこと。人間の皮膚や髪のタンパク質を構成するアミノ酸と同じ成分でできていて、肌と同じ弱酸性なので、髪や頭皮に優しいのが特長です。しかも汚れだけを選んで落とし、地肌の中の潤い成分はしっかり残してくれる機能もあります。植物由来なのできちんと分解されて自然に戻るため、環境に優しい成分としても人気を集めています。
べたつきがちな、脂性の頭皮には、例えば、グリチルリチン酸ジカリウム、海泥(クレイ)、海藻などを配合したアミノ酸系シャンプーがおすすめです。すっきりと洗浄しつつ、海藻のビタミンやミネラル、アミノ酸などの栄養成分が髪や頭皮を健やかな状態に導いてくれます。
乾燥
乾燥肌や敏感肌の方には、ご自身の状態に応じたスカルプシャンプーの使用をおすすめします。その際、洗浄力がマイルドなシャンプーを選んでください。皮脂ケア用のシャンプーと同様、頭皮に優しいアミノ酸系洗浄成分がベースの製品がおすすめです。
さらに、頭皮や髪の潤いを逃さないために、保湿成分が含まれたシャンプーや、頭皮や髪に潤いとツヤを与える天然オイル配合のシャンプーもおすすめです。
例えば、次のような保湿成分が入っているシャンプーがおすすめです。
- グリセリン
- ヒアルロン酸
- セラミド
- 植物エキス
うねり、ハリ・コシ(髪質)
エイジングヘアのお悩みには、甘草由来のグリチルリチン酸ジカリウムを配合した薬用シャンプーもおすすめです。頭皮をすっきりと洗い上げ、毛髪浸透型コラーゲンが、ハリがなくなった髪の内部まで浸透して補修してくれます。
薄毛・抜け毛
抜け毛や薄毛には、スカルプケアシャンプーや有効成分入りの薬用シャンプー(医薬部外品)を使うのがおすすめです。また、育毛剤や頭皮マッサージを取り入れることで、薄毛・抜け毛対策に効果的です。
白髪(白髪染め)
髪にやさしくておすすめなのは「過酸化水素」という成分が含まれていない1剤式ヘアカラーやヘアカラートリートメントなどです。
一般的な2剤式ヘアカラーに配合されている過酸化水素には、髪のメラニン色素を脱色する作用があり、髪色を好きなカラーに染めることができますが、この脱色(酸化)作用が毛髪にダメージを与えます。また、頭皮にも強い刺激となるので、頭皮にトラブルのある方は注意したほうがよいでしょう。
白髪染めを使用されている方には、必要な脂分と潤いを残すなどの頭皮へのやさしさも備えたアミノ酸系シャンプーがおすすめです。
市販されている主な頭皮シャンプー
スカルプシャンプーは、大手通販やドラッグストアなどさまざまな場所で購入することができます。プレミオールシャンプーのような通販限定の商品もありますが、市販品として広く利用されている製品も数多くあります。
例えば、kurokami、angfa、ylang ylang、botanist、haru、スカルプd、ボーテ、いち髪、パンテーン、harukurokami、カダソン、ハーバニエンス、エイトザタラソ、courreges、ダイアン、nile、haval、belta、elen、イネス、nebotanist、vitalism(バイタリズム)、ミルボン、ナチュラスター、ノ・アルフレ、ビーリス、citrus、ジェントル、デオコ、ビオルチア、KERASTASE、アデノバイタル、などが知られています。詳しくはAmazonでご覧ください。
頭皮シャンプーの購入時には、商品の成分やメーカーの信頼性を確認し、自分の頭皮の状態に合った製品を選ぶことが重要です。
シャンプー以外でもできる頭皮と髪のケア
美しくしなやかな髪を維持するのは、まず土台となる頭皮が健やかである必要があります。そして、何より保湿が大切です。そのためにも、正しい洗い方で頭皮を清潔に健康に保ち、しっかり眠り、栄養バランスがとれた食事を心がけるようにしましょう。髪の毛や頭皮の改善に繋がる、暮らしの中でできる頭皮ケアの方法をご紹介します。
コンディショナー
コンディショナーは髪の表面を滑らかにし、保護するために使います。髪をコーティングし、外部からのダメージを防ぐことが主な目的です。必要な水分や栄養を補給し、乾燥やダメージから髪を保護する役割を担っているのです。髪がもつれにくくなり、静電気の発生も抑えてくれます。
トリートメント
トリートメントは髪の内部に栄養を補給し、ダメージを補修するための製品です。髪の内部を強くして、さらに髪に必要な水分や補修成分を補給します。髪を乾燥やダメージから保護し、健やかな状態を保つことを目的としています。ダメージが気になる場合や、集中的なケアが必要な場合には、毎日使用しましょう。
ドライヤー
洗髪後は必ずドライヤーで乾かしましょう。濡れた髪は、キューティクルが剥がれやすくなっています。そのままにしておくと、髪の主成分であるタンパク質が流れてしまい、ハリやコシのない髪になる可能性があります。
洗髪後にタオルでやさしく水分を取り、ドライヤーで乾かしていきます。仕上げを冷風で乾かすとキューティクルが整い、髪にツヤが出やすくなります。シャンプーの種類によって適切な乾かし方も変わるので、シャンプー選びの際にチェックしておくとよいでしょう。
ブラッシング
忘れがちですが、シャンプーをする前にブラッシングをすることも大切です。いきなり頭を洗うのではなく、まずはブラッシングをして髪のもつれを解いておきます。髪の表面についたほこりや残ったスタイリング剤、頭皮の皮脂などを浮かせる効果が期待できます。シャンプーの泡立ちもアップするため、洗ったときに汚れが落ちやすくなります。
また、シャンプーの前には予洗いをすると、髪の汚れの約7割を落とすことができるといわれています。予洗いはシャンプーの泡立ちを良くするだけではなく、シャンプーの量が抑えられるため、頭皮への刺激も少なくなります。
頭皮マッサージ
血行を促進し、健やかな髪になるには、洗髪後の頭皮マッサージは欠かせません。頭皮は爪ではなく、指の腹を使ってやさしくマッサージしてください。強すぎると摩擦で逆に頭皮にダメージを与えてしまいます。適度な回数で頭皮マッサージを行うと血行が促進され、頭皮も柔らかくなり、健康的な髪の成長が期待できます。リラックスした気分で行うと頭皮もすっきりさっぱりし、日頃のストレス解消やリフレッシュにもなります。マッサージの後は、頭皮全体を軽くタップすると、さらに血行が良くなります。
生活習慣
髪や頭皮のためには、睡眠も重要になります。それは、睡眠中は体全体の血流が改善されるからです。頭皮にも栄養素がしっかり行き渡り、髪の成長を促進します。また、睡眠はホルモンバランスを調整する重要な役割を果たしています。なかでも、成長ホルモンの分泌は深い睡眠時に最も活発になります。
食事
食事は、ビタミンやミネラル、ビオチン、亜鉛、髪の主成分であるタンパク質などの栄養素をできるだけ摂るよう心がけてください。さらに日々の水分摂取も欠かせません。水分をしっかり摂ることで、新陳代謝が促進されるからです。水分摂取を意識する習慣をつけることが大切です。
健やかで美しい髪と頭皮を目指して、日々の継続的なケアを
年齢が上がるにつれ、頭皮や髪のコンディションが変わり、どんどんと新しい悩みが出てきてしまうのは仕方のないことですが、何より大切なのは、頭皮を健康な状態で維持することです。よい睡眠、 栄養のバランスがとれた食事のほか、リフレッシュ、適度な運動を心がけてください。心地よい時間を過ごすのも大切です。
より健康で美しい髪や頭皮のためにも、自分の頭皮や髪の状態をしっかり確認して、いまの状態に合ったシャンプーやトリートメント、リンス、コンディショナーなどのヘアケア製品を選ぶようにしてください。適切なケアを日々継続的に続けていけば、頭皮や髪の悩みは次第に軽減していく可能性が大きくなるでしょう。
補遺:頭皮シャンプーに配合される成分とはたらき
薬用成分には、主に以下のような成分があります。
- グリチルリチン酸ジカリウム:抗炎症作用があり、頭皮の炎症やかゆみを軽減します。また、⽑髪・頭⽪を健やかに保ち、肌荒れを防ぐ効果もあります。
- サリチル酸:角質を溶かす作用があり、古い角質やフケを取り除く効果があります。抗菌作用もあります。
- ジンクピリチオン:抗菌・抗真菌作用があり、フケやかゆみを防ぎます。特に皮膚炎の改善に有効です。
- ピロクトンオラミン:抗真菌・抗菌作用を持ち、頭皮のフケやかゆみを抑えます。
- ミコナゾール硝酸塩:抗真菌作用があり、フケやかゆみの原因となる真菌(カビ)を抑制します。
その他成分には、主に以下のような成分があります。
- 海藻エキス:アミノ酸やミネラルを多く含み、保湿効果やキューティクルの保護効果に優れています。
- 海泥(どろ):海泥(どろ)は10〜20ミクロンの超微粒子。マイナスイオンを帯び、プラスイオンである頭皮の毛穴の汚れを吸着し、取り除きます。自然の成分で肌に負担をかけず、洗い上げます。
- グリセリン:保湿剤として使用され、頭皮や髪を保湿し、乾燥を防ぎます。シャンプーの使用後に髪をしっとりさせます。
- コカミドプロピルベタイン:界面活性剤の一種で、肌への刺激が少ないため、敏感肌向けのシャンプーにもよく使われます。
- ジメチコン:シリコンオイルの一種で、髪をコーティングして滑らかにし、ツヤを与えます。また、髪の絡まりや静電気を防ぎます。
- セラミド:保湿成分で、頭皮のバリア機能を高め、乾燥を防ぎます。
- トコフェロール:抗酸化作用があり、頭皮の血行を促進し、健康な毛髪の成長をサポートします。
- パンテノール:保湿効果があり、頭皮や毛髪を保護し、健康な状態を保つのに役立ちます。
- ホワイトクレイ(カオリン):超微細の粒子が頭皮や毛穴の汚れを物理的に吸着して除去。頭皮環境の乱れの原因になりやすい、余分な皮脂などをしっかり取り 除きます。
- メントール:清涼感を与え、頭皮をリフレッシュさせます。また、かゆみを抑える効果もあります。
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