ヘアケア

頭皮が脂っぽく髪のベタつきが気になる女性に向けて、その原因や対処法、適切なシャンプー方法などを詳しく解説します

頭皮や髪の悩みってさまざま、人それぞれですよね。抜け毛・薄毛(AGA)、育毛対策したい、白髪、くせ毛・うねり、ボリュームが出ない、ハリ・コシがない、なめらかさ・しなやかさが足りない……といった髪の毛に関する悩みもさまざまあれば、臭う、ベタつく、脂性、乾燥肌、敏感肌、肌荒れ、かゆみがある、フケが出る……など頭皮に関する悩みまで、じつにさまざまです。

そんな中、「脂っぽい頭皮」や「髪のベタつき」でお悩みの方も少なくないと思われます。汗をかいたり、忙しくて洗髪ができなかったりすると、頭皮が脂っぽくなり、髪もベタついてしまいます。実に不快ですよね。 この不快さをどうすれば軽減できるのか? このページでは、その方法を詳しく説明します。ぜひ参考にしてください。

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この記事を書いた人

株式会社ヤマサキ 研究開発部井堰裕子

約40年にわたって髪と頭皮を研究しているラサーナの毛髪診断士。 ヘアケア・スカルプケアの研究開発に携わって15年です。日々、お客様の美髪や、健康な頭皮のため、安心・安全を意識した商品作り、品質担保に日々奮闘しています

脂っぽい頭皮と髪のベタつきに悩んでいる方へ

具体的にどんな悩みがあるのでしょうか?

頭皮が脂っぽくなったり、髪がベタついたりすると、どうしても不快感を覚えてしまいます。特に夏場は、汗をかくと嫌な臭い(匂い)が発生し、自分ばかりでなく周囲にも不快感を与えてしまいます。放っておくと毛穴が詰まり、さまざまな頭皮トラブルを引き起こす場合もあります。

なぜ、こういった状態になってしまうのでしょうか? 以下では、ケアの方法や適切なシャンプーの選び方など、詳しく紹介していきます。

脂っぽい頭皮と髪のベタつきの原因とは?

原因は、皮脂の過剰分泌にあります

皮脂は、頭皮を健康に保つために重要な役割を果たしています。でも、皮脂が過剰に分泌すると頭皮が脂っぽくなり、髪がベタついてしまいます。額と鼻、あごをつないだT字形の部分をTゾーンと呼びますが、頭皮の皮脂量はTゾーンの3倍もあることをご存知でしょうか。だからこそ、普段から頭皮を清潔に保ち、皮脂の過剰分泌を防ぐことが、一番の対処法になるのです。

脂漏性皮膚炎とその影響

脂っぽい頭皮やベタついた髪を放置しておくと、皮膚炎を引き起こす場合があります。脂漏性皮膚炎とは、頭皮や顔面などの皮脂腺が多い部位に炎症が起こる皮膚病の一種です。皮脂の過剰分泌やマラセチアなどの常在菌が繁殖することによって発生します。

発症すると、頭皮が赤くなってかゆみを伴い、不快な状態が続きます。場合によっては、脂っぽいフケや頭皮の剥離につながることもあります。さらに、頭皮だけでなく顔や胸、背中など皮脂腺が多い部位に影響が及ぶこともあります。

現在、重度の脂漏性皮膚炎に悩んでいる方は、まず専門医師の診察をおすすめします。軽度の方は、抗菌成分を含むシャンプーを使うと抑制につながりますので、一度お試しください。

生活習慣とホルモンバランスも影響します

こういった不快な状態を解消し、頭皮を健康的に保つためには、まず健康的な生活習慣が重要です。そうすれば、ホルモンのバランスが整ってきます。ちなみに、女性ホルモンには「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2種類があり、エストロゲンには皮脂の分泌を抑えたり、肌に潤いを与えたりといった重要な働きがあります。

また、栄養を考えた食生活や適度な運動も効果的です。時間がないからといって、ファストフードの油っこい食事やインスタント食品で済ましてしまうと、悪影響を及ぼすこともあります。普段からバランスの取れた食生活を心がけることが大切です。

さらにストレスと睡眠不足も影響します

皆さんは毎日しっかりと眠れていますか? じつは頭皮は睡眠と深い関係があるのです。睡眠時間が不足すると、ストレスホルモンであるコルチゾールが増えてしまうからです。コルチゾールにはストレスに対する耐性を高める役割がありますが、過剰に分泌すると免疫機能の低下など、良くない影響を与える可能性があるのです。

一方、質の高い睡眠は、成長ホルモンの分泌を促してくれます。成長ホルモンは細胞の成長や修復に深く関わっており、睡眠時に活発に分泌されるため、十分な睡眠は頭皮にとって欠かせないものです。

正しい頭皮ケアとシャンプーの選び方

頭皮のブラッシングと予洗いが重要です

頭皮が脂っぽいからといって、洗髪の際、いきなりシャンプーを使っていませんか? それでは逆効果になってしまいます。まずブラッシングを行い、頭髪・頭皮に付いた余分な皮脂を落としましょう。そうすると頭皮の血行が促進され、髪の成長にもつながります。その後、38度ぐらいのぬるま湯で予洗いをすると、シャンプーが頭皮と髪に均等に広がりやすくなります。

それから適切な量のシャンプーを手のひらに取り、しっかりと泡立てます。この泡が、頭皮の汚れをすっきりと効率的に除去してくれるのです。さらに、頭皮マッサージを行うと、血行が促進され、健康的な髪の成長につながります。シャンプー専用のスカルプブラシを使用することで、頭皮を傷つけずに洗うことができます。

そして洗い流す際は、シャンプーが残らないように、十分にすすぐことが大切です。洗髪後はドライヤーで乾かし、最後は冷風で仕上げてください。
なお、使用するシャンプーは、頭皮の状態をしっかり確認して、最適な製品を選ぶことが大切です。

シャンプーの正しい泡立て方とは?

シャンプーの泡立て方も重要です。シャンプーを頭皮に直接乗せて泡立てると、洗浄成分が均一に広がり、髪への摩擦を減らすことができます。指の腹を使って頭皮をやさしくマッサージするように洗ってください。爪を立てたり強くこすったりすると、頭皮にダメージを与える可能性があるため注意しましょう。

トリートメントとコンディショナーの役割

シャンプーの後、皆さんどうしていますか? トリートメントやコンディショナーを使う方が多いと思いますが、両者の役割の違いをご存知でしょうか。トリートメントは髪に潤いを与え、毛髪を補修する効果が期待できます。一方、コンディショナーは、髪に必要な水分や栄養を補給し、乾燥やダメージから髪を保護する役割を担っているのです。両者をうまく使い分けると、ベタつきの軽減につながり、まとまりがよくなります。

ベタつく頭皮や脂っぽい髪におすすめのシャンプー

おすすめはアミノ酸系シャンプー

頭皮のベタつきや脂っぽさを軽減するには、皮脂の過剰な分泌を抑えてくれる頭皮シャンプーがおすすめです。スカルプシャンプーの名称でも知られています。スカルプシャンプーは頭皮の深層(毛穴の奥)にある皮脂や汚れを除去してくれます。
なかでも、アミノ酸系の洗浄成分を含むシャンプーは、肌をやさしく洗浄する特徴があります。逆に、強すぎる洗浄力のシャンプーは頭皮を刺激し、逆に皮脂の過剰な分泌を引き起こす可能性もあります。

シャンプーや洗顔剤などの幅広い製品に配合されているアミノ酸系洗浄成分は、大きくは以下の3つのメリットを持っています。

  • 低刺激性:弱酸性であるため、肌や髪に優しく、刺激を与えにくい。
  • 保湿力:肌や髪に必要な保湿成分を残し、乾燥を防ぐ。
  • 環境にやさしい:天然由来の成分であるため、環境にやさしい。

シャンプーを選ぶ際は、成分と効能を理解することが重要です。まずは、ご自分の頭皮の状態をしっかり確認してください。その状態に適したシャンプーを選ぶことで、ベタつきや皮脂の過剰分泌の抑制につながります。

ベタつく頭皮に適した成分とは?

ベタつきがちな、脂性の頭皮に適した成分はいくつかあります。例えば、健康的な髪の成長を促してくれる成分としては、海泥(クレイ)・海藻などが知られています。

ノンシリコンシャンプーとその効果

シリコンシャンプーが良いか、それともシリコンフリーを選ぶべきか。こういった悩みは多いと思います。頭皮のベタつきや脂っぽさが気になる方の中には、ノンシリコンシャンプーが地肌に良いのではないかと思われる方もいらっしゃるでしょう。

かつて、シリコンが毛穴を詰まらせ頭皮や髪に悪い影響を与えるという見方から、「シリコン=悪」というイメージが広がりました。しかし、シリコンはそもそも、良くも悪くも人体に全く作用しません。ヘアケア製品では、指どおりをなめらかにして摩擦を防ぎ、ツヤを与える成分として配合されてきました。また、シリコンは分子の形状・構造的に空気や湿気を通しやすく、髪や頭皮を密閉してしまうことはありません。

シリコンは髪のダメージ抑制には欠かせない存在です。シリコンが髪の表面をコーティングすることで、なめらかな手触りになったり光沢を与えたりといった作用があります。また、熱などのダメージから髪を保護する働きもあります。

一方、髪が細かったり少なかったりすると、髪の質感やボリュームが失われる可能性があります。ハリやコシ、ボリュームを感じられる仕上がりがほしい方には、ノンシリコンシャンプー(トリートメント)がおすすめです。

シリコンシャンプー ノンシリコンシャンプー
メリット

髪同士の摩擦を抑える
しっとりとした仕上がりで指通りが良い

ハリコシ、ボリュームが感じられる
ふんわり仕上がる

デメリット

髪のボリューム感が出しにくい
シリコン=悪いイメージがある
シリコンアレルギーの人は使えない

髪がきしみ、指通りが悪くなる
髪同士の摩擦で毛髪にダメージを与える可能性もある

右方向にスライドすることで
表の続きをご覧いただけます

薬用シャンプーの効果は?

薬用シャンプーは特定の効能・効果がある有効成分――例えば、皮脂の酸化を抑えるデオドラント成分――が配合されており、医薬部外品に認定されています。頭皮の炎症やフケ、かゆみなどのトラブルを軽減するのに役立ちます。一般的なシャンプーと比べて、薬用シャンプーはこれらの症状に特化したケアができますが、使用時にはその成分と効果を理解し、自分の頭皮の状態に合ったものを選ぶことが大切です。

では、薬用シャンプーには、どんな成分が配合されているのでしょうか? ラサーナ(lasana)の薬用シャンプーを例にとると――フケ・かゆみを抑える作用があるグリチルリチン酸2Kが配合されています。

さらに、頭皮や髪にやさしいアミノ酸系洗浄成分として、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸TEAなどの成分が配合されています。

頭皮マッサージとその効果

おすすめの頭皮マッサージ

洗髪後に頭皮マッサージを行うと、血流が促進されて健康的な髪の成長につながるだけでなく、毛穴の汚れを除去する効果も期待できます。頭皮は爪ではなく、指の腹を使ってやさしくマッサージしてください。強すぎると摩擦で頭皮にダメージを与えてしまいます。リラックスした気分で行うと日頃のストレス解消やリフレッシュにもなります。炭酸シャンプーと組み合わせれば、ヘッドスパ感覚を得ることができるかもしれません。

生活習慣の見直しと頭皮ケア

食生活と水分摂取の重要性

健康的な髪と頭皮を維持するには、頭皮ケアだけではなく、栄養バランスの取れた食事も重要になります。皮脂の調節作用があるビタミンB2が豊富に含まれる食品を摂ることをおすすめします。揚げ物や脂っこい肉類など高カロリーの食事は、なるべくなら避けたほうが良いでしょう。さらに日々の水分摂取も欠かせません。水分をしっかり取ることで、新陳代謝が促進され、細胞が生まれ変わるからです。水分摂取を意識する習慣をつけることが大切です。もちろん、適度な運動も重要です。

頭皮を健康的にする良質な睡眠

なぜ睡眠が重要なのでしょうか? それは、睡眠中は体全体の血流が改善されるからです。頭皮にも栄養素と酸素がしっかり供給され、髪の成長を促進します。また、睡眠はホルモンバランスを調整する重要な役割を果たしています。なかでも、成長ホルモンの分泌は深い睡眠時に最も活発になるのです。
逆に睡眠不足になると、ストレスホルモンが分泌され、皮脂腺の活動を促してしまいます。結果として、頭皮がベタついてしまいます。ぜひ良質の睡眠を心がけてください。

継続は力なり、長期的なケアが大切です

正しい洗髪や、頭皮の保湿、マッサージを続ければ、次第に頭皮は健康的に変わっていくことが期待できます。脂っぽい頭皮、髪のベタつきに悩む方も、毎日の適切なケアによって改善できるかもしれません。大切なのはこれらを習慣にして、毎日コツコツと実行することです。

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